Blog院長ブログ
【整う食の選択|連載ブログ】 第4章
【整う食の選択|連載ブログ】
本記事は、電子書籍 『食の選択=プラントベースというライフスタイル』 の内容をもとに、全4回に分けて紹介する連載記事の最終回です。
- 第1章:体感と経験「整体師が30年菜食を続ける理由」
- 第2章:整体×生理学「ほぐしても戻る身体をどう考えるか」
- 第3章:科学と環境「食の選択と、地球環境とのつながり」
- 第4章:実践ガイド「無理なく始めるフレキシタリアン」 (★現在の位置)
「食べるものがない・不便」を解消する!
無理のないプラントベースの始め方
「菜食やプラントベースという食べ方については分かってきた。 でも、実際に始めようとすると、食べられるものが限られそう……」
「外食のときはどうすればいいのだろう?」
そう思うのは、自然なことだと思います。
私自身、30年ほど前に菜食を始めた頃は、 今ほど植物性食品の選択肢が多くありませんでした。
外食の店を探したり、食材を見つけたり、 原材料を確認したり。
私自身も、試行錯誤しながら続けてきました。
だからこそ、最初から完璧な食生活を目指す必要はないと思っています。
「100%完璧」を目指さなくてもいい。
まず一食だけ変えてみる。
そして、自分の身体や生活の様子を観察してみる。
その経験をもとに、次の選択を考える。
最終回となる今回は、 「では、実際に何から始めればいいのか?」 というところを、一緒に考えてみます。
「100%完璧」を目指さない
― フレキシタリアンという選択
プラントベースを始めるからといって、 明日から肉や魚などをすべてやめなければならない、 ということではありません。
食生活は毎日のことです。 だからこそ、無理なく続けられる方法を考えることが大切です。
その一つの考え方が、 フレキシタリアン(flexitarian) です。
フレキシタリアンは、 vegetarian(菜食)と flexible(柔軟な)を組み合わせた言葉で、 植物性食品を中心にしながら、 食生活を柔軟に考えるスタイルを指します。
たとえば、
- 平日の昼食だけ、植物性食品を中心にしてみる
- 週に数回、一食を植物性中心にしてみる
- いつもの食事から、まず一品だけ植物性のものに置き換えてみる
- 外食では、植物性の料理を選べるときに選んでみる
このくらいの小さなところから始めても構いません。
大切なのは、 「できなかった」と自分を責めることではなく、 「今日は何を選んだのか」を自分で知ること です。
まずは「一食」から試してみる
私がおすすめしたいのは、 最初から食生活全体を大きく変えるのではなく、 一日の中の一食を観察してみること です。
たとえば朝食。
あるいは昼食。
その一食だけ、植物性食品を中心にしてみます。
そして食後に、 「今日はどんな感じがするだろう?」 と、自分の身体を少し観察してみます。
観察してみたいこと
- 食後の満腹感
- 胃腸の感じ方
- 眠気やだるさ
- その後の活動しやすさ
- 排便やお腹の状態
- その日の睡眠
- 仕事や運動量
- ストレスや気分
ここで重要なのは、 食事だけを原因だと決めつけないこと です。
身体の感じ方は、 睡眠、運動、仕事、気温、ストレスなど、 さまざまな要因によって変化します。
だからこそ、 「この食事をしたから、こうなった」 とすぐに結論を出すのではなく、 まずは記録してみる。
そして何度か繰り返しながら、 自分なりの傾向を見ていく。
五葷抜きという選択も「自分で試してみる」方法の一つ
私自身は、五葷を避ける食生活も続けています。
五葷とは、一般に にんにく、ねぎ、にら、らっきょうなど、 特定の香りの強い植物を指す伝統的な食習慣です。
ただし、五葷抜きを医学的な治療法として考える必要はありません。
私の場合は、 自分の食生活を考える一つの選択肢 として取り入れてきました。
「今日は五葷を使わない料理にしてみよう」 という程度の小さな試し方でもいいでしょう。
ただし、特定の食品を長期間除く場合には、 栄養の偏りが生じないよう、 食事全体のバランスを見ることが大切です。
身近な食材から始めてみる
プラントベースというと、 特別な食品や海外の加工食品を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、実際には日本の普段の食卓にも、 植物性食品はたくさんあります。
コンビニなどで探しやすいもの
-
昆布や梅などのおにぎり
※商品によって原材料が異なるため、表示を確認しましょう。 - 枝豆
- 豆腐・豆乳
- 焼き芋
- 無塩のナッツ類
- 植物性ミルク
スーパーで使いやすいもの
- 豆腐
- 納豆
- 厚揚げ・油揚げ
- 豆類
- 野菜・きのこ類
- 海藻類
- 米・雑穀・穀類
- 乾物
特別な食品を探すよりも、 まず普段の食材の中から選択肢を増やす ほうが、長く続けるうえでは取り組みやすいでしょう。
外食では「食べられるもの」を探す
外食が多い方にとって、 「プラントベースを続けるのは難しい」 と感じる場面もあるでしょう。
そんなときも、 「完全に条件を満たす店を探さなければならない」 と考えなくて大丈夫です。
和食、蕎麦、豆腐料理、野菜料理など、 比較的植物性食品を選びやすい料理を探してみる。
また、インド料理、中東料理など、 豆や野菜を中心とした料理が多い食文化を利用する方法もあります。
ただし、料理名だけでは判断できない場合もあります。 出汁、ソース、調味料などに動物性原材料が使われていることもあるため、 必要に応じて店員さんに確認しましょう。
外食で困ったときの考え方
「完全なプラントベース料理があるか?」
だけで考えるのではなく、
「この店で、自分が選べる植物性の料理は何だろう?」
と考えてみると、選択肢が見つかることがあります。
お金をかけすぎなくても始められる
「プラントベースは高そう」 というイメージを持つ方もいるかもしれません。
たしかに、特殊な加工食品や輸入食品を中心に選べば、 食費が高くなることもあります。
一方で、 豆腐、納豆、豆類、米、季節の野菜、きのこ、海藻、乾物など、 普段の食材を組み合わせる方法もあります。
「プラントベース専用の商品」を買うことだけが、 プラントベースではありません。
普段の食材をどう組み合わせるか。
そこから考えてみると、 食生活を無理なく見直すことができます。
30年間続けてきて、私が感じていること
私は、30年ほど菜食を続けてきました。
その経験から感じているのは、 食生活を変えることそのものよりも、 自分の身体や生活を観察する習慣を持つこと のほうが大切なのではないか、ということです。
「この食事をしたら、今日はどう感じるだろう?」
「昨日と比べて何か違うだろうか?」
「この食べ方なら、自分の生活の中で無理なく続けられるだろうか?」
そんな小さな問いを持つだけでも、 食事との向き合い方は少し変わってくるかもしれません。
まずは、今日の一食から。
何かを全部やめる必要はありません。
いつもの食事から、一つだけ変えてみる。
一品だけ植物性食品に置き換えてみる。
そして、自分の身体を観察してみる。
おわりに ― 食べることを、自分で選ぶ
30年間菜食を続けてきた私から、 最後に一つお伝えしたいことがあります。
それは、 「こう食べなければならない」という正解を急いで探さなくてもいい ということです。
食べることは、毎日の生活そのものです。
だからこそ、 他の誰かの方法をそのまま取り入れるのではなく、 自分の身体、自分の生活、自分の環境に合わせて考えていけばいい。
私自身の30年間の経験も、 その一つの実例にすぎません。
皆さんに同じ食生活を勧めるために、 この本を書いているわけではありません。
まず自分の食卓を眺めてみる。
そして、 「自分は、何を選んで食べているのだろう?」 と考えてみる。
その中から、 「これなら一度試してみてもいいかな」 と思えるものを一つ選んでみる。
そして、自分の身体と生活を観察してみる。
感じる。
考える。
試してみる。
観察する。
そして、自分で選ぶ。
私が30年間の菜食生活を通して大切にしてきたのは、 そんな食との付き合い方なのだと思います。
【全4回を通してお読みいただいた方へ】
ここまで4回にわたって、 私自身の30年間の菜食経験を出発点に、 身体、食事、生活、そして環境との関係について考えてきました。
本連載でお伝えしたかったのは、 「この食事が正しい」という答えではありません。
食べることを、もう一度、自分自身の選択として見てみること。
そのための一つのきっかけになればと思っています。
より詳しい内容については、 電子書籍 『食の選択=プラントベースというライフスタイル』 でまとめていく予定です。



