【整う食の選択|連載ブログ】 第3章  |東京都豊島区で腰・肩・脚のお悩みはJCC池袋整体院へ

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【整う食の選択|連載ブログ】 第3章  

【整う食の選択|連載ブログ】

本記事は、電子書籍 『食の選択=プラントベースというライフスタイル』 の内容をもとに、全4回に分けて紹介する連載記事です。

  • 第1章:体感と経験 「整体師が30年菜食を続ける理由」
  • 第2章:整体×生理学 「ほぐしても戻る身体をどう考えるか」
  • 第3章:科学と環境 「食の選択と、地球環境とのつながり」
  • 第4章:実践ガイド 「無理なく始めるフレキシタリアン」

自分の健康を選ぶことは、周りの環境ともつながっている?
― 食事から考える「Planetary Health」

「何を食べるか」は、自分だけの問題なのだろうか

私は30年ほど、菜食を続けてきました。

最初から環境問題を考えて、菜食を始めたわけではありません。 自分の身体を観察しながら、食べるものを少しずつ選び直してきた結果、 気がつけば長い時間が経っていました。

そして現在、食について改めて考えてみると、 食べるという行為は、自分の身体だけで完結しているものではない と感じます。

私たちが何を食べるかという選択には、 食材をつくる農業、生産に必要な土地や水、 輸送や加工など、さまざまなものが関係しているからです。

もちろん、一人ひとりの食事がそのまま地球環境を変える、 という単純な話ではありません。

それでも、 自分の食卓と、その先にある環境とのつながりを考えてみる。 そこには、食事を見直すもう一つの視点があると思います。

「Planetary Health」という考え方

近年、健康を考えるときに、 「人の健康」だけでなく「地球環境の健康」も一緒に考えようとする Planetary Health(プラネタリー・ヘルス) という考え方が注目されています。

これは、 「環境のために何かを我慢しましょう」 という単純な話ではありません。

人間の健康と、それを支える自然環境は、 完全に別々のものとして考えることができない。 その関係を考えていこう、という視点です。

食事についても、 健康に配慮しながら、環境への負荷についても考える食事パターン が研究されています。

2019年にはEAT-Lancet Commissionから、 健康と環境の両方を考えるための食事パターンについての提案も発表されました。

ただし、これは全世界の人がそのまま従うべき「唯一の正解」という意味ではありません。 地域の食文化、所得、食料へのアクセス、栄養状態などによって、 現実的な食事の形は変わります。

食事は、どのように環境と関係しているのか

食事と環境の関係を考えるとき、 「肉は悪い」「植物性ならすべて良い」 と単純化してしまうと、かえって本質が見えにくくなります。

実際には、食品の種類だけでなく、 生産方法、地域、輸送、土地利用など、 さまざまな条件によって環境への影響は変わります。

そのうえで、現在の科学的な評価では、 植物性食品を多く含む食事パターンへの移行には、 温室効果ガス排出や土地利用などを減らす可能性がある とされています。

食事と環境を考えるときの主な視点

  • 温室効果ガス: 食料の生産や土地利用などから排出される温室効果ガス
  • 土地利用: 農地や飼料生産などに必要となる土地
  • 水資源: 食料を生産するために必要となる水
  • 生物多様性: 森林や生態系、土地利用の変化との関係

たとえばIPCCは、植物性食品を多く含む食事や、 持続可能な形で生産された動物性食品を含む食事について、 健康と気候変動対策の両面から可能性を評価しています。

ここで大切なのは、 「植物性食品を食べれば、それだけで環境問題が解決する」 という意味ではないことです。

食料システム全体には、生産、加工、輸送、廃棄など、 多くの要素が関わっています。

整体師として身体を見てきた私が感じること

私は整体師として、長年、人の身体を見てきました。

その中で感じてきたのは、 身体は一つひとつの部分だけを切り離して考えるより、 全体の関係の中で見たほうが理解しやすい ということです。

食事についても、同じように考えることがあります。

「この食品が良い」 「この食品が悪い」 と一つだけを切り取るのではなく、 その食事全体を見てみる。

さらに、 睡眠、運動、仕事、ストレス、生活リズムなども含めて、 自分の身体がどのように反応しているのかを観察してみる。

これは、私が30年間菜食を続けながら、 少しずつ身につけてきた見方でもあります。

「植物性=必ず健康」と考えないことも大切

ここで、一つ大切なことがあります。

植物性食品を増やせば、必ず健康になる。 これは言い切ることができません。

植物性食品の中にも、野菜、果物、豆類、穀類、ナッツ、種子など、 さまざまな食品があります。

一方で、植物由来であっても、 加工の程度や栄養構成によって内容は大きく異なります。

だからこそ、 「植物性かどうか」だけで判断するのではなく、 食事全体として栄養が整っているか を見る必要があります。

特に菜食やプラントベースの食生活を長く続ける場合には、 自分に必要な栄養素が不足していないかを確認することも大切です。

私が大切にしているのは「正解」より「選択」

私自身は、30年ほど菜食を続けています。

しかし、 「だから皆さんも菜食にしましょう」 と言いたいわけではありません。

私が伝えたいのは、 自分が何を食べているのか、一度立ち止まって見てみること です。

いつもの食事を少し振り返ってみる。

その中で、 「これは減らしてみてもいいかもしれない」 「これは意外と自分の身体に合っている」 「この食べ方なら無理なく続けられそうだ」 と感じるものがあるかもしれません。

食事は毎日のことだからこそ、 大きく変える必要はありません。

一つの選択を変えて、自分の身体を観察してみる。

その積み重ねから、自分に合った食べ方を考えていけばいいと思います。

自分の身体を見ることから、少し外側へ目を向けてみる。

私にとって食事を考えることは、 「何を食べれば健康になれるか」という問いだけではありません。

自分の身体を観察し、 自分の生活を見直し、 そして、その食べ物がどこから来たのかにも少し目を向けてみる。

そんなふうに視点を少しずつ広げていくことだと考えています。

まとめ ― 食の選択は、どこにつながっているのか

食事は、まず自分自身の身体に関わるものです。

しかし、その食材がつくられるまでには、 土地、水、エネルギー、農業、輸送など、 さまざまなものが関係しています。

だからといって、 「環境のために、この食事をしなければならない」 と考える必要はありません。

むしろ大切なのは、 自分の健康と、自分の食卓と、その先にある環境とのつながりを知ること。 そのうえで、自分自身で選ぶことです。

私が30年間菜食を続けてきたことも、 一つの実践例にすぎません。

それをそのまま誰かに当てはめる必要はありません。

まずは、自分の食卓を眺めてみる。

そして、 「自分は、何を選んで食べているのだろう?」 と考えてみる。

そこから始めても、十分なのだと思います。

次回は「実践」について考えます。

いきなり食生活を大きく変えるのではなく、 まず一食だけ変えてみる。

そして、そのとき自分の身体がどう感じるのかを観察してみる。

第4回では、そんな無理のない始め方について考えていきます。