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「ほぐしてもすぐに戻ってしまう?」その理由
2_1:「ほぐしてもすぐに戻ってしまう」その理由
毎日忙しく過ごしていると、身体が疲れたときにマッサージを受けたり、定期的に整体に通ったりする方も多いと思います。
それでも、
「毎日きちんと食べて、睡眠時間も取っているのに、朝から身体が重い」
「昼食を食べると、どうしても眠くなってしまう」
「整体を受けた直後は楽なのに、しばらくするとまた身体が重く感じる」
そんな経験はないでしょうか。
こうした相談は、当院でも珍しくありません。
もちろん、身体の重さや痛みには、姿勢、運動量、睡眠、仕事の負担、ストレスなど、さまざまな要因が関係します。
その中で、私は長年の臨床経験から、
ことが大切だと考えるようになりました。
「疲れているから、もっと食べて元気をつけよう」
という足し算だけではなく、
「今の自分にとって、この食事量や食べ方はどうなのだろう?」
と、一度立ち止まってみる。
今回は、そんな視点から食事と身体について考えてみます。
1.食後に眠くなるのは、なぜでしょうか?
食事をすると眠くなる。
これは、多くの人が経験する身近な現象です。
ただし、その理由を「食後は胃腸に血液が集まり、脳の血流が減るから」とだけ説明するのは適切ではありません。
食後には消化・吸収のために消化管の血流が増えますが、健康な人では循環全体が調整されており、単純に「脳が貧血状態になる」という現象ではありません。
また、食後の眠気には、食事だけでなく、もともとの体内時計による眠気のリズムなども関係しています。
食事後に眠気が強くなること自体は確認されていますが、食事内容だけでそのすべてを説明できるわけではありません。
「食後に眠くなった = 特定の食品が身体に悪い」
と、すぐに結論づけることもできません。
ここは、とても大切なところです。
2.「食べたもの」と「身体の感じ方」を分けて考える
食事をすると、身体の中では消化、吸収、代謝など、さまざまな生理的な働きが起こります。
その過程で消化管への血流が増えたり、ホルモンや神経を介した反応が起こったりします。
しかし、
と単純に考えることはできません。
身体は、食事をしているときも、眠っているときも、さまざまな生理機能を同時に調整しています。
だからこそ私は、患者さんから「食後にすごく眠くなる」「食べた後に身体が重い」と聞いたとき、
とは考えません。
まず、
- 何を食べたのか
- どのくらい食べたのか
- 何時に食べたのか
- 睡眠は十分だったのか
- その日はどのくらい身体を動かしたのか
- 仕事や人間関係などで強いストレスがなかったか
など、周囲の条件も含めて見ていきます。
身体の感じ方は、ひとつの原因だけで決まるとは限らないからです。
3.「足す」だけでなく、「一度減らしてみる」
疲れていると、
「もっと栄養を取らなければ」
「スタミナをつけなければ」
と考えがちです。
もちろん、必要な栄養素を十分に取ることは大切です。
一方で、すでに十分な食事をしている人にとっては、さらに量を増やすことが最適とは限りません。
そこで、一度だけ視点を変えてみます。
「何を少し減らしてみるか」。
たとえば、
- 夕食の量を少し控えてみる
- 寝る直前の食事を避けてみる
- 一度の食事量を見直してみる
- 食事の内容を記録してみる
- 一食だけ植物性食品を中心にしてみる
といった、小さな変更です。
そして大切なのは、変更したことそのものではありません。
4.整体と食事を「別々のもの」と考えない
整体では、身体の姿勢や動き、関節の状態、筋肉の緊張、神経系の働きなどを見ながら、その人の身体を観察します。
しかし、人間の身体は施術台の上だけで生きているわけではありません。
施術を受けた後、何時間座っているのか。
どのくらい歩くのか。
どんな仕事をしているのか。
どのように眠っているのか。
そして、何を食べているのか。
そうした日常生活も含めて、一人の身体があります。
そのため私は、身体を考えるときに、
「身体が置かれている生活まで含めて見る」
ことを大切にしています。
食事も、その一部です。
5.まずは、自分の身体を観察してみる
ここで大切なのは、
「この食事が正しい」
と決めることではありません。
また、
「食事を変えれば痛みが治る」
と考えることでもありません。
まずは、小さく変えてみる。
そして、
食後の感じ方はどうだったか。
身体は重かったか、軽かったか。
お腹の調子はどうだったか。
その夜は眠れたか。
翌朝はどうだったか。
そんなことを記録してみる。
身体の変化には、食事以外の要因も関係しているかもしれません。
だからこそ、すぐに結論を出さずに観察する。
これは私が、日々の臨床でも大切にしている姿勢です。
まとめ――「足す」だけでなく、一度立ち止まってみる
身体が疲れているとき、
「もっと食べなければ」
と考えることがあります。
しかし、ときには、
と立ち止まってみることも、ひとつの方法です。
食事を変えたからといって、身体の変化がすべて食事によるものとは限りません。
だからこそ、
この繰り返しから、自分に合った食べ方を探していく。
私は、食事について考えることも、身体を見ることの一部なのではないかと思っています。
まずは、次の一食から。
何かを大きく変える必要はありません。
自分の身体がどう感じるのかを観察してみる。
そこから、自分自身の「食の選択」を考えてみてはいかがでしょうか。



