2007年。3月になりました。今年の私の初記事です。
ここまで雪が全く降らず、2月半ばにして春一番が吹くという異例の暖冬。骨身にしみるような寒さを感じる事なく春を迎えるのも、複雑な気分ですね。
私としては、学生時代にスキーで経験した骨の髄まで感じる寒さは、むしろ歓迎なのですが、寒さから体が解放されることは、骨休みと言うでしょうか。
わざとらしく「骨、骨」連発してますが、今回、私が選んだテーマは「骨」。カイロや整体という骨を扱う専門家として、少し語ってみたいと思います(笑)。
骨の中でも、中心的存在は背骨。そして背骨の解剖学的名称は脊椎といいます。(ちなみに脊髄はその中にある神経の束のことです)そう、あの脊椎動物の脊椎です。脊椎動物は背骨を中心とした骨格を特徴とした動物です。動物界ではあたかもそれが大多数を占めているかのようですが、しかし、脊椎動物というのは動物の中の5%に過ぎません。昆虫も含めて、残り95%は骨を持たずに動き、エサを探し求めているのです。
もしかすると、背骨を中心とした骨格を有するというのは特異なことなのかもしれません。最後に生き残るのはゴキブリだなんていいますしね。少数派にして「みみずだ~って、おけらだ~って」と歌うのはおこがましい?
は、置いといて話を進めましょう。
骨格とそのつなぎ目の関節でもって運動器。それにプラス骨格筋・腱・靭帯をあわせて運動器系。(骨格筋…筋肉はほかに心臓や血管、胃腸なども筋肉でできているので、運動器系の筋肉は区別して骨格筋といいます。)
運動器系?病院では、科の名前に使われる器官系名称。例えば、循環器科とか呼吸器科、泌尿器科。骨の場合は運動器系という分類ですが、受診するのは整形外科なんですね。
その運動器系のうちの骨の機能。
①身体の保持
②外力からの保護
③血球の産生
④カルシウムの貯蔵
ここで注目は③。知らなくもないことですが、赤血球や白血球は骨の中、骨髄で造られています(造血機能)。言わずもがな、血液というのは健康のバロメーター。体の状態が一番現れるものですが、こんな重要な機能は意外にも骨の中にあるんですね。肝臓だとか膵臓だとかのように、血液を造る臓器があってよさそうなものですが。
ありました!(笑)。脾臓です。といっても、大昔、まだ哺乳類でなかった時代ですが。ヒトではもうその機能は失われてしまってて、古くなった赤血球を処理しているだけの臓器です。
とにもかくにも、骨の中で血液を造るという機能があり、その働き具合はその他3つの機能と同時並行的かつ流動的でしょう。
ここで、①身体の保持について。
運動器である骨がその形態を維持していくには、重力という大きな要素が関わります。成長期にはもちろん、成長が終わった骨でさえも、重力の影響を受けた造骨細胞と破骨細胞の働きによって、必要があれば骨の形が変わっていきます。
骨の内部断面には、力のかかる方向、エネルギーの流れる方向に沿って海綿状の構造が見られます。重力に抗して体を保持する骨のカタチには、それなりの意味があるわけです。
高齢者になると「変形性ナントカ」などの骨の疾患が増えてきますが、60年以上もの間、重力に耐えるのは至難の業なのでしょう。
また、これは単独の骨に限らず、全体の骨格にも言えることです。骨格自身は、基本的にはそれだけで直立できる構造になっています。理科室にだらしなく吊るされたあの全身模型が立てるかといえば、ちょっと難しい気がしますが…。
これはあくまで、理論上のこと。ですが、普段私達が座り、立ち、歩くという姿勢・動作には「正しさ」があり、「骨への意識」はその一つの答えでしょう。また、「軸」とか「臍下丹田」も姿勢のイメージですが、実際に存在しないものをイメージするのは非常に難しい。しかし、「骨への意識」はそこに到る一つのヒントとなるでしょう。
そしてそれは、ただ単に機能①を満足させることに留まりません。このようにして骨格の支持機能を最大限発揮させているとき、機能③骨の内部にある骨髄の造血が最も発揮されているといえます。
正しい姿勢が血を造る。骨の重要性はここまで及びます。そして、これが私達が患者さんの健康に深く貢献できる理由なのです。