「鎧は持てば重いが、着れば軽い」
古武術を研究している甲野善紀さんの言葉です。
古武術というのは昔の人たち(江戸時代の頃)の身体の使い方を研究するといいます。
現代のスポーツのトレーニング方法は筋力をつけて能力をあげることに重点が置かれていますが、それだけでは出来ない動きがあり、そういったものを可能にするヒントが昔の人達の身体の使い方にあるそうです。
鎧を持とうとすると腰や腕に負担がかかりやすいが、着るとその重さは自然と全身にかかります。
腕、腰だけに頼らずにその他の部分でも重さを分け合うようにすると、負担のかかりやすい部分を痛めることは少なくなり、何より力を使わなくても重いものを持ち上げることができるといいます。
例えばどんなことができるのか。
椅子に座った人をそのままの状態で椅子から持ち上げてしまう技が、古武術を介護に生かす番組の中で紹介されていました。
これは筋肉の力に頼ってやるとかなり難しいみたいですが、甲野さんが説明されたように両足で地面を踏ん張らないようにして、腰を支点に身体を使わないようにすると持ち上がるそうです。
はじめはやってみたもののできなくて「ホンマかいな?」と思いましたが、コツがつかめてくると80キロの人を椅子から持ちあげることができるようになりビックリしました!
からだの使い方を工夫することでいっけん無理に思えることが出来てしまう。
知らない人からすれば火事場の馬鹿力のように見えるのかもしれません。
つらつらと書いてきましたが、やりかたを聞いただけではピンとこないですね。
だから甲野さんは「ホント~?」と番組の中で訝る共演者達に笑いながら言うのだと思います。
「まずはやってみて。じゃないと分からないから」