~北海道中膝栗毛(摩周編)~
11時。相変わらずの曇天の中、船から車に乗り換え阿寒湖畔を離れる。
ちなみに今日の現地天気予報は、晴れのち曇り・・・という事は、現時点で何処かで必ず晴れている場所があるのだろう。その筈だ。そうに違いない。そうあって欲しい!
車は一路東へと進路をとる。
ここより13kmの双湖台は、パンケトー&ペンケトーを眼下に見下ろす名勝地。昨日は霧の為、お預け状態だったが、しかし今日こそは!と熱い想いを込めて峠を目指す。
が!、またもや標高が高くなるにつれて霧(雲)に歓迎の抱擁を受ける。更にはオプションとして雨が参加。車は前照灯を点けても視界が非常に悪く、とても景色を味わう状態にあらず。
・・・そういえば小学生の修学旅行でも天候に恵まれなかった為、今旅同様に美幌峠・双湖台・阿寒湖などは景色を堪能できなかった。ワタクシ、もしかして雨男?
この日も双湖台とは縁がなかったようだ。残念だが諦める。
このあとのコースは、摩周湖→硫黄山→川湯温泉(宿泊先)と予定を立てはしてみたが、どうなることやら。
峠は下り坂に入り、やがて平地に出ると霧も晴れ道路は乾いている。遠くを見渡すと、屈斜路方向(北)では雲の切れ目から青空を覗かし陽光が地表を照らしている(日本の奥地で我々は幻の陽光を発見することに成功した。byナレーター田中信夫)。
昨日昼食を摂った弟子屈(読:てしかが)に到着。
弟子屈は北に屈斜路&川湯、東に摩周湖、西に阿寒湖、南に釧路へと、阿寒国立公園の十字路となっている交通の要衝だ。
この町の駅前で再び昼食を摂ることにする。
食後散歩がてら、そばの摩周駅(旧弟子屈駅)に立ち寄る。駅自体には特別変わったところはないが、摩周温泉(弟子屈温泉)という土地柄のため温泉が豊富なのか、駅横に足湯の四阿が設けられ、行き交う旅人の足を癒してくれる(この日は利用客が一人もいなかったが)。
ここから摩周湖のある山の方向(カルデラ湖なので回りは山)を望むと、明らかに厚い雲が付近を覆っている。
作戦変更。
天候の回復してきた屈斜路湖へ舳先(フロントバンパー)を向ける。
・・・まるで青空を求める巡礼者のように
ノンストップで30分。屈斜路湖の湖畔の一つ「砂湯」に到着。
天気は・・・曇り。
砂湯は、名の通り「砂」に「湯」が涌くから(たぶん)。
湖岸の砂浜に行くと穴だらけ。観光客が掘った穴だろう。ベンチ(アイスクリーム屋に有りそうな)が数個砂浜に置いてあり、腰掛けながら掘った穴に足を入れるのだろう。
早速ワタクシも穴を少し掘ってみる。が、思っていたより熱くはない。
少し湖岸から離れた露天の足湯場は適温だったので、湖に近すぎると冷たい湖水が加わるのだろう。
風が出てきて湖上の雲も厚くなってきた。車に乗り込み、ここから8km先の川湯温泉(本日宿泊地)へ早めに行こうと北東へ向かう。
車を走らせて少しすると、何やら匂いが車内に充満しつつある。近くの火山から硫黄の匂いが風に乗って運ばれてくるのだ。
川湯温泉に到着。ここの温泉も古くから北海道有数の湯治場として知られている。昨晩泊まった阿寒温泉(華やか)と違って、落ち着いた雰囲気がある。
この温泉地川湯には地元出身の大鵬幸喜を称えた「川湯相撲記念館」がある。相撲に興味のないワタクシでも聞いたことのある力士なので、取り敢えず入ってみようと入館する。
館内は昭和の大横綱が数々の記録を打ち立てた記念品等が展示してあり、相撲ファンにとってはかなり楽しめる記念館と思われる。15分上映の映画も、大鵬という力士を知る良い作品となっている。
記念館を出ると、俄かに天候が回復してきて青空が見え始めた。
チャンス!
宿にチェックインせず、ここから南へ3kmほどの名勝「硫黄山」へ足を伸ばす。
硫黄山に近づくにつれ車内に充満していた匂いがいよいよ強くなる。
匂いの出元、硫黄山(アイヌ語:アトサヌプリ「裸の山」)に到着。
車から降りると、更なる硫黄の匂いが御出迎え。
硫黄山は、木が一本も生えてなく山肌から常に噴煙(湯気?)を昇らせる標高521m(実質300m)の低山だ。
ちなみに15年前は山頂付近まで登った(危険行為だが若気の至りで)のだが、今は立ち入り禁止の柵が設けられていて登れないようだ。
麓近くであんちゃん2人が拡声器を使い、独特の節回しで「たまごたまごたまご~」と温泉玉子を売っていた。もっとも、近くに寄るまで「○○○○○○ハンタ~イ!」とワタクシには聞こえていたので、「蝦夷っ子がこんなところで何の反対をしているのだ?」と思わぬ勘違いをしてしまいました(たぶん在京の観光客にも同じように聞こえた筈だ!)。
硫黄山の駐車場スタッフが「摩周湖の第一展望台なら眺望できるよ」との発言を信じ、ここから16km先の摩周湖に向かう。
摩周湖には第一・第三・裏摩周の3つの展望台があるが、ここから行くと手前に第三、次に第一展望台がある(裏摩周展望台は別ルートになる)。
晴れた平地から釧網本線の踏切を越えて摩周湖に向かう九十九折の山道に入ると再び霧が発生・・・
平地の上空はかなり青空が出ているので霧の切れ目から下を見ると、手前に硫黄山その奥に屈斜路湖がキレイに一望できる。が、これから標高の高くなる摩周湖は霧が益々深くなる。
第三展望台に到着。霧深し。そのまま降りずに約1km先の第一を目指す。
・・・霧が徐々に薄れてきた。第一展望台到着。まさにここだけ霧が薄れて湖面のみだが眺望できる(スゴイぞ駐車場の係員!)。
文字通り「霧の摩周湖」を味わう。
摩周湖(カムイトー:神の湖)は海抜351m最深211m、急斜面に囲まれた周囲20kmのソラマメ形をする湖。屈指の透明度(昔は41,6mを記録)を誇り、湖面の鮮やかな青さをして「摩周ブルー」と呼ばれる美しい湖だ。カムイシュ島という中島がちょこんと湖面から顔を覗かせているところがとってもラブリーだ。
道産子でもなかなか観られない摩周湖が見られ、満足感に浸りながら今晩の宿の川湯温泉に到着したのは、硫黄の匂い立ち込める(いつも)夕暮れ時。
第3日目が終了したのでした。