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あるミステリー小説から2

2006年06月02日

前回の続きで今回もミステリー小説を題材に書いてみました。


作品のポイントとなるのは今回も『家』です。
ネタばらしにならないように簡単に説明すると、主人公の父親が家の中にビー玉をぶちまけたり、糸を張りめぐらしたりなどある日突然周りからは理解できないような行動をとり始めます。
そして意味不明な言葉も口走るようになる。
そのような行為を思い出し、「彼は気が狂っていた」と振り返る主人公。
でも父親の行動、言動は狂気ゆえのものではなく、ちゃんとした理由がありました。


それは主人公がある建築家の建てた家を訪れた時、どこがどうとは説明できないが違和感を感じてしまうことと関係があったのです。
なにか嫌な感じがしてその空間に長く居たくないような気分になる。
始めは漠然とそう感じているだけでしたが、後半ある説明のもとに不快感、気持ち悪さのわけが明らかになっていきます。
そして何故建築家がそのような家をわざわざ建てたのかも。


片方の肩にだけ荷物をかけたり、いつも同じ側で脚を組むクセなどで身体の外側に偏りや歪みが出来やすいですが、身体の内側(性格)にも歪むということがおそらくあって、この作品に出てくるのはそんな手に負えない『歪み』なのです。


恨み、歪みなどにおいて言えると思いますが、長い年月をかけてつくられたものは根が深いと思います。
次から次へと登場人物がやられていくような話も怖いですが、この小説にはそういうものとは種類の異なる怖さを感じました。

投稿者 松本 : 2006年06月02日 20:40

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